2023年10月11日

埼玉でブラタモリ/二子山中央稜

初めての石灰岩/秩父太平洋セメント鉱山
アルパイン入門!?/決して侮る勿れ
日本地質学発祥の地/長瀞

ミスター・アルパインの愛称で皆から慕われるアキラ君の地元、埼玉で彼の念願でもあった二子山中央稜を無事完登。その内容は決して入門ではなく、スリリングなピッチが一箇所。思い出にもなり反省も多いルートを全員何とかクリアした【報告フル】

10/8〜9 二子山中央稜/長瀞ジオ/三峯神社
フル アキラ タケ


アプローチは20分、ルートグレードは入門級と聞けば、何の気負いがあろうか。そのような前情報から足取りも軽くスタートしたが、現れた西岳の岩壁は石灰岩特有の溶解、鍾乳状と何とも不思議な形状をしており、僕の経験したことがない岩質にやはり不安を覚えた。何となく行けそうで意外と手強く、勢い腕力に頼る無様なムーブを強いられた。救われたのはとりあえずガバが多かったが、フリクションが弱く足がいつ滑るかわからない。これも慣れかも知れないが、初見の僕らにはかなり厳しく感じられた。

先行2パーティー。登攀開始は皆笑顔

やや前傾気味で初っ端からいやらしい

2Pの取り付きは休憩ができるテラス

Ⅳの2Pはまず無難にこなす

問題の3P目はボルトが1本のみでカムが無いと超ランナウトする。#4〜#6があれば安心だが今回は#3以下しか用意しなかったため「落ちるか?」と思った。奇跡的に岩の穴にスリングをかけてことなきを得たが、ここが大きな反省点。もっと厳重にクラックを攻めないと大怪我になることだろう。

3Pをクリアすると大テラスで大休止。4P以降はⅤ-と言うがまず無難

終了後、せっかくなので山頂を踏む。背後スカイラインが中央稜


2日目は雨のためジオサイト「長瀞」とアキラ君おすすめの三峯神社観光。長瀞は日本の地質学発祥の地とのことで埼玉県のポテンシャルの高さが感じられました。これはまた石灰岩に挑む日がくるかも!?「ありがとう、埼玉!!」  


Posted by ぶなのとも舎 at 21:04アルパインクライミング

2023年09月12日

北八ッ/稲子岳南壁

台風一過/爽快なクライミング
湯川のクラックに挑む/デゲンナー
新人タケ君の実質アルパインデビューに乾杯!

クライミング力に長けたタケ君にいよいよアルパインルートのリードを任せた。4名を2パーティーに分けて、とりあえず僕が先行し僕の後に続いてもらうスタイル。初めて彼はフォローのビレイもやったが、新しい体験が彼の心にどう響いたのだろう【報告フル】

9/9〜10 湯川クラック 北八ッ/稲子岳南壁
フル アキラ Tamarin タケ


 当初の計画ではアキラ君のリクエストに応じて稲子岳を決めたが、このところ意欲的なタケ君が多忙な仕事の都合をつけて参加することになり、少し展開が変わった。やはり成長目覚しい若者に少しでも良い経験をさせること。これがTamrinに限らずアキラ君や僕も常日頃思っていることで、今回のタクティクスは最初からそうであったようなチームの雰囲気だった。
 台風が通過してまだ雨が残る静岡を半信半疑で出発するが、結果は全行程で予定通りの順調さであった。


湯川のクラックはどこも本格的でTRのみと言え、僕も含めほとんどまともに登れない。そんな中、最初に奮闘を見せたのはアキラ君でいつもの雄叫びをあげながら、最初に登り上げた。この奮闘に刺激を受け皆登り、次回への意欲を持つにいたる。クラックはもっとやるべきだ。


16時過ぎにしらびそ小屋に到着し、天狗岳とミドリ池の前で無事の祝杯をあげる。明日に備えて今夜は早く寝よう


予定より少し早い8時半。左カンテ取り付きに到着。先行パーティーの声がするもルートは空いているのですぐ取り付く。僕が先行しその後をタケ君にリードしてもらう。その後ろに別のパーティーも登り始める。


11時半に抜けて、皆それぞれ今日のクライミングを振り返る。13時半しらびそ小屋に戻り、痛む足を堪えながら稲子湯に向かう。全てが順調で課題らしきものもあまり無いようだが、他のパーティーの動向や細かいルート採り、ランニングの設置位置など、おそらくタケ君には全てが課題であったはずだ。右を採ろうと左を採ろうと、最終的にルートを決めるのはリーダーの能力に他ならない。良きリーダーになって欲しいと願うのは誰しも同じだと思うがいかがかな?


  


Posted by ぶなのとも舎 at 20:59アルパインクライミング

2023年09月08日

瑞牆山/トムソーヤの冒険

かなり手強い洞穴ルート
快適なクラック/ダルマフェース
終わってみればみんな笑顔/充実の1日

ダルマフェース取り付き

大ヤスリの時横に見えた「トムソーヤの冒険」なるルートにイト君からリクエストがあった。あのときイト君は山頂から僕らの登る大ヤスリを見つめたのだが、トムソーヤを登ったクライマーに声を掛けたのだった【報告フル】

8/27 瑞牆山/トムソーヤの冒険
フル イト Tamarin タケ ゲスト2


6/25に実施した大ヤスリ岩エイドクライミングの帰路。イト君から面白そうだと提案があったのがこのルートですぐ実施を決めた。帰宅直後、早速資料を送ってくれたのが日本登山体系の洞穴ルートとダルマフェースでグレード的には問題がなさそうであったが、洞穴の内容は体系の資料ではA1の記載以外よくわからない。ネットの記録を見ると5.8〜5.9のフリーとなっているが、案の定これが落とし穴だった。

みずがき自然公園をスタート朝6時半

パノラマコースは沢山の岩を縫うコースだが、めっぽう悪い

カンマンボロンで休憩

キニガイグチ。きのこシーズン到来

取り付きは大ヤスリ基部とほとんど変わらず登山道を過ぎて10分ほど。木に巻かれたテープがないと、ほとんど取り付きには見えない

問題の洞穴はキャメロット#6のA1でさらにもうひとつ#5を上にセットできれば突破しそうだが、それがなくもがいた末に僕は諦めた。ゲストのO君は両壁に足を広げてなんとかチョックストンにスリングをかけて突破した。そのあともいやらしいクライミングで、とてもクライミングとは思えないピッチだった。ザックは別に上げないと、とても通過することはできない

洞穴を抜けるとロープ1Pのあと藪を歩いてすぐ上がダルマフェースとなる

すっきりとしたクラックを見ると、やる気が出てくる

クラックを登り切ると4Mの懸垂が妥当。タケ君にはA0クライムダウンしてもらうが危険

やや長い歩きのピッチをふたつほどで、最後のクライミング。ここは気持ち良い

今回O君がいなければ敗退の憂き目を見ていたかも知れない。特に彼の奮闘には感謝します

皆を笑顔にしてくれたルートと山頂に感謝

帰りは富士見平山荘軽油で自然公園に戻る。ややハードな1日も良い仲間との山行は気持ちよく、またよい思い出となった・・
  


Posted by ぶなのとも舎 at 08:19アルパインクライミング

2023年06月29日

瑞牆山クライミング/ハイキングコラボ

大ヤスリ岩エイドクライミング/6名完登!
山頂より熱い声援/ハイキングチーム4名
当会初総勢10名のビッグイベント/感謝の1日

長年その機会を窺いながら実施できずにいた大ヤスリ岩のクライミング。年とともに落ちる体力のため僕の意識からは消えかかっていましたが、ある一人の女性のリクエストによって再び挑戦への意欲に火が灯(とも)りました【報告フル】

6/25 瑞牆山クライミング/ハイキングコラボ
フル Tamarin アキラ タケ ゲスト2/クライミング隊
ヒロヨ タカコ マキ イト/ハイキング隊


瑞垣山荘からスタート

この日のためにこれまで三つ峠のアブミ訓練を実施し、意外とハードなアブミが今でもこなせると確認できたことで、実施を決意しました。その回数は僕とTamrin A君 O君は2回、アキラ君、タケ君は1回のみとやや満足する内容とは言えず、正直成功の確率は50%と考えていました。成功より最悪の事態を避けることに重点を置いて、様々なタクティクスを考えた結果、これしかないと言う方法を導き出しました。

一つには設置したシュリンゲを回収せず後続のために残すこと。もう一つはヒロヨ君率いるハイキング隊を編成して山頂から声援を送ってもらうと言う、これ以上はない状況設定(シチュエーション)をもって臨み、いわば「背水の陣」といったところです。この状況は僕はもちろんのこと、全てのメンバーに精神的な刺激となり、一種の緊張感を醸しました。

富士見平小屋で休憩の後、名物桃太郎岩で・・

ハイピークルート取り付きは登山道より休憩に適しています

ハイキング隊はすぐ山頂

クライミング隊はクライミングにかかりますが、アプローチもなかなか手強かった

山頂より見守る

全員台座に乗ったら、古川がすかさずリード。1時間近く要して抜ける

2番はAさん。3番はタケ君二人とも順調に登った

4番O君は頼もしくリードしてくれた

Tamrinもいい笑顔で登ってきた

最後のアキラ君の心配は無用。温和な彼の本性はタフネス

撮影に夢中なタカコ君

全員登頂の写真は山頂から。これはレア

結果、3時間をかけて無事全員登頂を果たし、最後にロープ回収が不能に陥る事態も発生しましたが、なんとか回収も成功させて、延4時間にわたる登攀を終えました。ボルトの間隔についてはやはり簡単とは言えず、残置スリングに頼らざるを得ない状況でしたが、ボルト自体の強度はまだ保たれていました。

山頂から見守るハイキング隊は約3時間もの長い間、僕らを見守り続けました。固唾を飲んで危険な登山映画を見るがごとくで、最後までよく耐えてくれたと思います。ほとんどの山頂ハイカーは僕らのギャラリーにもなったようで、そうした注目されるイベントの仲間であることが気持ちよかったと言っています。

下山後2隊は駐車場で再会し、熱い声援を送ってくれたハイキング隊への感謝の言葉でこのイベントを締めくくりました。
今回のイベントに際し有形無形の形でご支援いただきました、全ての皆様に心よりお礼申し上げます。  


Posted by ぶなのとも舎 at 20:41アルパインクライミング

2023年05月23日

三つ峠アブミ訓練

もう一つのクライミング術
クリーンクライミングが当たり前の時代・・
最後の足掻きにあえて挑む

人工登攀(エイドクライミング)の登場は戦前のロッククライミングの初期から模索され、戦後の登山ブーム時代に、大胆に岩壁にボルトを打ち込みひたすら真っ直ぐに登りあげる「ディレッティシマ」というスタイルの魅力が熱を帯びて語られました。しかし現在ではそのような登り方は自然を壊すものであり、道徳的に排除する運動が起こり今では見向きもされないものとなりましたが、なぜか僕らはもう一度アブミをやってみたいと思うようになり、忘れていたエイドクライミングに再挑戦しました【報告フル】

5/21 三つ峠アブミ訓練
フル Tamarin タケ ほか2

5月のはじめ「オオヤスリに登ってみたい」と言うある女性のリクエストがありました。
そのルートに新規にボルトを打ったという話はほとんど聞かず、50年も前のボルトに命を預けて良いものか?ほとんどの登山家はNOと答えるでしょう。そこをあえて犯すのはやはりロマンを感じるからであり、僕自身本当にこれが最後の挑戦と覚悟してのことです。(ハイピークルート1970年3月初登)

中央フェース4段ハングの1P目はフリーと人工のミックスであるため、最初がひどくわかりづらいものでした


あとはTRでアブミに各自取り組む

ゲストのOさんは初めてでリードをこなした。彼の存在でオオヤスリ登頂の気持ちが強くなりました

※6月はアブミ強化月刊のため、以後のアブミ訓練報告は割愛いたしますが、ご容赦ください
  


Posted by ぶなのとも舎 at 16:23アルパインクライミング

2023年05月07日

【GW2023/後編】西穂独標

新穂高ロープウェイで快適GW
西穂攻略断念!/独標往復で戻る
荒天の山の厳しさを楽しみに変える

駐車場に咲くミヤマエンレイソウ

今年のGWも無事終了いたしました。当初5名で計画した西穂高でしたが、予定のGW後半は天候の悪化が予想され、4名に減員しなおも実施に漕ぎ着けましたが、アタック当日の穂高岳上空はどんよりと曇っておりました【報告フル】

5/5〜6 西穂高独標
フル ヒロヨ アキラ タカコ


昨年のGWに引き続き西穂を選んだのは、やはりロープウェイの魅力を捨てきれなかったからです。昨年は独標までの計画でしたが、それを踏まえて今年は山頂を目指してみよう、と言うのが僕らの大きな目標でした。しかしながら、我々のパーティーがアイゼンで過酷な岩稜を往復するのは無理であるとの現実を突きつけられた形です。
【5/5アプローチ/雪上訓練/宴会】

パッキング完了、ヨシッ!

西穂高口に新設された展望テラス。ここが一番の眺め

アプローチで早速ピッケル/アイゼンワークの訓練

大人のお菓子

【5/6アタック/下山】
悪天の中、常に天候を見ながら進退を測り進む我パーティーのメンバーは、むしろこの悪天を楽しみ、山の厳しさを喜んで受け入れてくれました。僕にとってはそう言うメンバーに育ってくれたことが本当に嬉しく、まだまだ皆のために心を尽くしてゆこうと誓った次第です。

小鳥のさえずりが僕らの気持ちを励ましてくれた

一部雪はあるものの、岩場はほとんど雪がない

独標を前にアイゼンを外す

風には強弱があり独標の岩場は意外と弱いので助かる

愛しの標柱

皆笑顔だが実際には笑っている状況にない。下山こそ要注意!

参加の皆様ほか、これまで様々な形で準備に関わって頂いた全ての方に厚くお礼申し上げます。  


Posted by ぶなのとも舎 at 08:11アルパインクライミング

2022年10月19日

城山西南カンテ/完登!

秋風の心地よい伊豆/城山
やや塩っぱい!?/城山スラブで修行
新人タケ君にリードの講習を敢行

先週までの不安定な天候から、安定した秋晴れの様相に移り伊豆城山は快適なクライミングを楽しむことができました。今日はまだ外岩の経験が少ない新人さんに、リードの感覚を体験していただくのがテーマです【報告フル】

10/16 城山西南カンテ
フル Tamarin タエミ タケ


初めは3人で普通にマルチを楽しもうと思って計画しましたが、タエミ君が急遽参加となり4人パーティーでマルチが完遂できるか自問しました。過去一人で3名を引き上げる経験はあるものの、近年の体力低下に自信が持てなかったためです。そこで閃いたのが、新人さんにあえてリードをしてもらう方法でした。その手法を報告します。

南壁に一番乗りで手頃なホームボーイにまずはTR

登りのセンスがあるタエミ君にしては珍しく「ボヤキ?」

今日一番乗っていたのはTamrinです

昼食後、12時に西南カンテに歩いて移動

まず僕がリードで2本ランニングを取ったら、タケ君リード開始。元々ボルダリングで鳴らした能力の持ち主ですから、クライミング能力に問題はなく、ランニング時のロープ操作を上から僕が指導します。2本目まで来たら、一旦セルフを取ってもらい、僕がまた二つ登ります。同じことを繰り返して1P目の終了点に到着。セルフビレイやフォローのビレイは僕が担当しました。これは正確にはリードデビューとは言えませんが、リードクライミングの手順を間近に見ていただくにはこの方法が最善です。2本のロープは僕が操作しますが、アシスタント付きで登る僕も負担軽減となり一石二鳥!

トラバースの2Pのあとの3P目は違うビレイ点でスタート。南壁より楽ですが高度感もあり、気分いいでしょう!飲み込みの早いタケ君ですから、見ている僕も気分良く登れました。またそれは経験の深いTamrinのサポートがあったおかげで、無事二間バンドに抜けました。二間バンドのピッチは止め歩いて山頂に向かいました。よいクライミングができたのもメンバーのみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。  


Posted by ぶなのとも舎 at 20:39アルパインクライミング

2022年07月19日

新人歓迎合宿/小同心クラック

テント満開/大賑わいの赤岳鉱泉に喜びひとしお
ジョウゴ沢F2で懸垂下降の訓練
飲み過ぎ注意!?小同心クラック無事完登


何はともあれ、客で賑わう赤岳鉱泉の繁盛ぶりが一番嬉しい。やはり八ヶ岳はこうでなくては・・、小屋前で賑やかにビールを煽る山ガールが眩しかった【報告フル】

7/17〜18 八ヶ岳合宿/小同心クラック
フル アキラ タケ


初日は美濃戸口のPも満杯で6時半という時刻だがやはり路駐スタートとなった。今日はアプローチとジョウゴ沢でのトレーニングのみの予定なので急がない。二日間ともガスで展望は効かないものの、ガスの切れ間に時折見せる山は荘厳である。こういうタイミングはやはり逃してはならない。3時間半かけて小屋に到着。
小屋に入ると4代目オーナーが笑顔で出迎えてくれる。しばらく来なかったことを詫びると恐縮してワインを差し入れてくれた。この連休は満員に近い状況でスタッフも明るい雰囲気だ。コロナ対応のシステムもほぼ板についた感じで、サービスの質も今まで通り。さすがです。
昼食にカレーを頼み腹を拵え、短い昼寝のあとジョウゴ沢に向かう。明日のクライミングに備えて新人のタケ君に懸垂下降を覚えてもらうためだ。F2はそれを行うに丁度いい傾斜と高さがあり支点もしっかりしている。



懸垂に入る前にセルフビレイ。そのあとに懸垂のセットを僕が行う。ロープを投げるとまずはアキラ君が見本を見せる。いつもだと二人並んで降りるところだが彼は飲み込みが良いので、いきなり一人でやってもらう。要点さえ教えればすぐにモノにできるタイプの男で仕事もテキパキとやるだろう。F1でもおさらいの懸垂をして終了。ロープの回収/収納もタケ君の仕事となった。


小屋に戻るととりあえず入浴。チェックイン客が入り口で行列を作っている。風呂は4人で一杯なので少し待つがサッと汗を流してすぐ出た。あとは食事の時間までのんびりと飲むことにする。アキラ君がいきなりノンアルを飲み始めたのには驚いたが、そのあとは焼酎も入れたようだ。タケ君は酒に弱いので過ぎたことはやらない。8時半には就寝したが僕のみやはり飲みすぎた。


朝5時半に食事で7時前に小屋を出る。天気は相変わらずガスが濃く、あまり気にしないようにする。誰もが嫌がる大同心稜をもっとも注意しながら登るのは僕で、休憩をこまめにとるようにする。取り付きまで2時間を予定したが、案の定時間通り。9時10分登攀開始となる。


いつも通りかと思いきや、ロープがやたら重い。簡単と思ったルートがかなりスリリングになる。足場の良いビレイ点までロープを伸ばす。1ピッチ目まではそれでも無事二人をあげることができたが、2ピッチ目チムニーを嫌いフェースから取り付いたらさらにロープが重くなった。一手一手に息も荒くなる。10Mぐらい上のビレイ点になんとか到着したが、肝心のロープが引き揚げられない。止むなくロワーダウンで一度降り途中で設置したランニングを撤去。ロープをチムニー通しにするとなんのことはない、岩にほとんど触れず空中となった。TRのままそのまま登り返す。前回も同じラインを通ったにもかかわらず今回このようなことになったのは、ロープ径が8ミリと9ミリの違いと思われる。この2点は深い反省点であった。


次のピッチ数メートルでクラックルートは終了。歩いて山頂直下で再度30Mばかりロープを出すが特に問題はない。横岳山頂からは一般道を硫黄岳経由で鉱泉に戻る。コマクサが見頃だが大変大きなお花畑であることは僕も知らなかった。海の日の小同心クラックはこのコマクサがまさに花を添えると言う、思い出深い内容であった。

今回は久々に山らしい山を味わうことができ、参加のみなさんには感謝します。また会員の皆様にはこのよき新人さんに温かい指導とエールを贈られることをお願い申し上げます。

※写真が甚だ少なかったため、やや冗長ですがテクストにてご報告いたしました。
  


Posted by ぶなのとも舎 at 18:17アルパインクライミング

2021年05月05日

GW前穂高岳/完登

荒れ気味のGW/降雪で冬山に豹変
2度目のチャレンジタカ君/我慢の勝利
雪崩紙一重のコンディション/体力低下が追い討ち

まずはGW前穂高岳を無事終了したことをご報告します。相次ぐ低気圧の通過で積もった新雪は膝丈以上。新雪表層雪崩の危険がMAXの状態と言えました。先行したパーティーもラッセルに苦しみ断念する者が続出する中、実力のある先行者のおかげで間一髪の生還を果たすことができました。我々の登頂は10時半過ぎで13時に岳沢小屋に着いた途端、天気は大荒れになりました。下山が意外とスムーズに行ったのが良かったですが、荒れるタイミングがもっと早かったら槍ヶ岳遭難の二の舞となっていたことも想像されます。ご心配をおかけした皆様には心よりお礼申し上げます【報告フル】

5/2〜5/4 北アルプス/前穂高岳
フル タカ


平地の予報では5/3は晴れでしたが、山の天気は荒れました。朝方は雲ひとつない状況で予定通り5時に岳沢を出発。先行パーティーは1パーティーのみでしたが、スピードに劣る我が隊は次々と後続に道を譲り、奥明神沢に取り付いた6パーティーのうち最後尾となりました。しかし新雪のラッセルは若い先行パーティーも苦戦し徐々にその差は縮まっていきました。


ダイレクトルンゼ取付きでほんの少しだけ先頭ラッセルをやらせていただきましたが、すぐに道を譲り力のあるソロの方がそれ以降山頂までラッセルを完遂。1パーティーは時間切れで下山、残った3名のソロと僕ら2名のみが山頂を極めました。最終は僕らでしたがすでに降雪が始まり始め、視界も悪く急な雪渓の下降も気を許せない状況でしたが、1時間でダイレクトルンゼを下降し、さらに1時間で奥明神沢を下降(尻セード200M含む)13時に岳沢小屋に帰着しました。



5/4は快晴でしたが、気温が上昇しいい気持ちはしません。7時に岳沢を出発し10時に上高地に到着しました。タクシーで沢渡に戻り温泉と昼食のあと16時半帰静完了。

5/4の岳沢


今回の主役は同行のタカ君で、この厳しい状況下で常に落ち着き、我慢を持続してくれたことが成功の要因と言えました。気象の変化や彼の行動ぶりを見ながら僕も進退を決めるのですが、今回のタカ君の頑張りは称賛に値します。登頂おめでとう!

しずおか山酔会5月6月のプラン
5/9 山菜シロヤシオ/下十枚山/ハイキング初級
5/16 十二ヶ岳クライミング/スラブ 山梨県河口湖町 スラブ講習/初級~
5/23 リクエストOK
5/30 丹沢大山/ハイキング初級/JR日帰り温泉
6/6 城山西南カンテ/マルチピッチ 伊豆市 中級/フリークライミング
6/13 富士山バリエーション/剣が峰大沢岩樋部 富士宮市/ハイキング初級
6/20 丹沢/マスキ嵐沢 神奈川県山北町/沢登り初級
6/27 富士山水ヶ塚~幕岩~ブナ神殿/ハイキング初級
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★山酔会についてのお問い合わせはフルちゃんまで
古川 賀英(フルちゃん)
メール grabis.by.buna@ft.dws.ne.jp
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Posted by ぶなのとも舎 at 14:53アルパインクライミング

2021年03月24日

北八ヶ岳天狗岳/登頂!

春の嵐直前に間に合う
雪山登山初のメンバータカ君殊勲の山
ピッケル/アイゼンはこう使え!

春分の日の連休は荒天の予報でしたが、前半の土曜日は晴れだったので、初日に山頂を極め翌日は戻るだけの内容としました【報告フル】

3/20〜21 北八ヶ岳天狗岳
フル タカ


昨年より思ったような山ができなかった冬でしたが、ようやく山らしい報告ができます。メンバーとなって3年経ったタカ君が初めて冬山の山頂を極めることができました。普段職務柄なかなか山に行けなかった彼にようやく訪れたメモリアルな一登となりました。これをステップとして益々発展していただきたく思います。何よりまずはおめでとう!

昼前に黒百合ヒュッテに到着。12時半山頂を目指します。天気は上々!

急な斜面はピッケルの出番。いろんな使い方を試しながら登ります

でも大事なのはアイゼンです。基本のフラットフットを徹底してやります

登りより課題が多いのが降りであえてルートを外してみました。緊張感がフットワークの重要性を際立たせます

3時前には小屋に到着。満足感いっぱいの美味しいビールを酌み交わしました。ありがとうタカ君!

しずおか山酔会3月4月のプラン
3/28 三つ峠ハイキング/初級日帰り
4/4 高山〜水見色の里/お花見ハイキング/初級日帰り
4/11 立岩岩登り講習/アイゼントレーニング
4/18 山菜ハイキング/わらび/静岡市
4/25 遠州岩岳山/アカヤシオ/初級〜

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Posted by ぶなのとも舎 at 21:25アルパインクライミング